転職エージェントと転職サイトの違い

 

転職を思い立った時、身近なのは人材を募集する企業と求職者を直に結ぶ「転職サイト」です。
しかし抜かりなく良い求人に巡り合いたいと思うなら、間に職探しのプロが介在する「転職エージェント」を活用しましょう。 第三者に客観的なアドバイスがもらえるという点が、転職サイトとエージェントの大きな違いです。

■転職サイトでは、求職者と企業が直につながる

求職者と求人企業がサイトを通じて直にやり取りするのが、転職サイトの特徴と言えます。
かつて転職希望者は、何らかのコネクションが無い限り雑誌媒体やハローワークを使って職探しをしていました。これらが概ねWeb化された事は、パソコンを日常的に使う方であれば実感の湧くことと思います。


ハローワークも今や求人票をインターネットサービスで閲覧できます。行政の事業の為応募するにはハローワークを通す事が必要ですが、職探しの段階がWeb化されたという意味では「ハローワークインターネットサービス」も、転職サイトと同じような役割を担っていると言えるでしょう。


そして「とらばーゆ」などの代表的な求人情報誌も、個人情報登録のもと自分の希望する職を探しオンライン上で応募する形態に移行しました。勿論書類の郵送を受け付けている企業も依然ありますが、多くの企業が選考の時間短縮の為Webからの応募書類受付となっています。

■転職サイトにも若干の転職支援はある

転職サイト内には唯の求人情報だけでなく、スカウトサービスなどの「転職支援」も存在します。しかし転職エージェントのサービスのように、アドバイザーの支援がある訳ではありません。


大手転職サイトである「リクナビネクスト」を例にとると、スカウトサービスに履歴書を登録しておけばそれを閲覧した企業から各種アクセスがあります。求職者に興味を感じた企業が送る「興味通知オファー」、その職種に見合った求職者に広く送られる「オープンオファー」の他、個人向けのオファーである「プライベートオファー」、書類選考抜きで面接に進める「面接確約オファー」などがあります。


求職者としては、これらのオファーが届くだけでもちょっとホッとできます。 特に専門職の場合、面接確約オファーの本数は決して少なくない為、雑誌媒体で攻めの転職活動をしなければならなかった時に比べ時間的にも精神的にも余裕が出来ます。


「お見合い」に例えられる事の多い職探しですが、職務経歴を書類で閲覧した企業が求職者に「ぜひ会いたい」と言ってくれるのは嬉しい事です。また、求職者の傾向を分析し統計を取っている大手転職サイトでは、転職成功者の応募動向も分かる為、転職者としてアベレージかどうかが気になる人には便利です。


転職を思い立った時点での情報収集が、かつて雑誌媒体が主流だった時に比べるとかなり楽になっている事は確か。ビッグデータ活用の時代と言われるゆえんです。 しかしデータはデータ、転職時に最終的な決め手となるのは、やはり生身の人とのやり取りです。その点、転職サイトでデータを並べて何となくわかった気になるより、更に一歩踏み込んでいく事が必要。そんな時企業と求職者の間を取り持つ転職エージェントが活躍します。

■転職エージェントのメイン業務は、職紹介と転職支援である

転職エージェントのメイン業務は職業紹介です。ハローワークなど公営組織が行う業務が民営化され、エージェントで活躍するキャリアアドバイザーは企業と求職者を高度にマッチングさせる事で利益を得ています。当然アドバイスや転職支援も福祉的な観点ではなく、市場が求めるものと求められる人材の供給という点が重視されています。


そのため自分の市場価値を知り「ビジネスパーソン」として転職を行いたいと思った場合、転職エージェントを活用するのは有意義です。人材としての市場価値が分かるというとシビアな感もありますが、それまで自信を持って取り組んできた業務がある場合には思いがけない能力を買われる可能性もあります。


また、自分で職種を絞って検索するより遥かに沢山の企業を同時に検討できるのも特徴です。
転職エージェントが売り物の一つとするのが「非公開求人」です。転職エージェントは転職を「市場」と捉え、商品を仕入れるように企業からの求人情報をペンディングしています。職種として希少な業務や年収などが高い転職情報も含まれ、エージェントに登録すると情報が開示されます。
転職サイトに飽き足らない場合、エージェントに登録する事によってすんなりと「優良求人」に出会えるという例も珍しくありません。


そして、求職が成功するよう様々な転職支援を受けることが出来ます。エージェントの規模や特徴にもよりますが、概ね履歴書の添削と面接アドバイスを柱として、最終的に企業も求職者も納得できるような調整をエージェントが行ってくれます。


転職を孤独に一人で行うよりも、エージェント介在によってアドバイスが聞けるというだけでも気が楽になります。そこでスッと角が取れるのが早ければ、転職も要領よく行えます。

■転職先と求職者が「直につながらない」事のメリット

転職サイトと転職エージェントの大きな違いである「第三者が介入する」という点を比較してみると、ワンクッション置けるという事のメリットは大きいものです。最も、就業したい企業が決まっていて運よく求人があり、是非熱意を伝えたいという場合は別ですが、そのような場合でも転職サイトと転職エージェントを併用する事が可能です。


転職のチャネルが多様化した今こそ、冷静な第三者の視点を職探しに導入すると企業も自分も調整が図りやすく、業務が円滑に進むケースが多いです。そんな点が転職エージェント躍進の背景にある事を念頭に置き、転職活動をカスタマイズしていきましょう。


どのような転職でも「雇用のミスマッチ」は、企業と求職者双方に負担を強います。その点、ベテランのキャリアアドバイザーは、転職者と企業双方を見る目を持っています。企業情報を教えてもらえる時には、自分の情報も開示し、プロに調整を図ってもらえるようにしましょう。企業と求職者が「直につながらない」中間地帯が設けてある事で、なんとなく話が遠くなるか企業との距離がスムーズに調整できるかは、それまで自分がしてきた仕事に率直になれるかどうかにかかっています。